漫画『鉄槌とピエタ』
『鉄槌とピエタ』真冬麻里
【日本/全3巻完結】
- ジャンル:歴史・ファンタジー漫画
- 登場人外:天使
- 出版年:2019年~2020年(アフタヌーンコミックス)
- 作品の雰囲気:ライト、たまにシリアス
- 人外×人間の恋愛要素:なし(主人公二人の不思議な絆は魅力的)
実在の偉人の半生をモデルに、そこにファンタジー要素を加えた、斬新な歴史物語。
あらすじ
15世紀の終わり、イタリアにひとりの男が生まれた。彼の名前はミケランジェロ・ブオナローティ。後世、「人類史上最高の彫刻家」「万能の人」と呼ばれることになる天才芸術家だ。
彼は15歳のときに、空から落ちてきた大天使・ガブリエルに出会う。
ガブリエルの美しさに魅せられ、自身の作品の可能性を感じたミケランジェロは、「究極の彫刻」を彫ってみせると言い切った。それを高笑いで一蹴したガブリエルだったが、結局、守護天使としてミケランジェロの元に留まることを選んだのだった。
感想(ネタバレなし)
お気に入り度★★★☆☆
天才芸術家の物語、となるともっと暗い話になってしまいそうだが、ミケランジェロの自信家っぷり、それを満足げに眺めるガブリエル、という構図ですべての暗さを吹き飛ばしてくれる。
もちろん、シリアスな場面もあり、天界からの敵対勢力なども出てくるが全体的にライトに読める印象だ。ミケランジェロの半生も、深堀しすぎず、浅すぎず、といった絶妙なバランスで描かれている。
傲慢な彫刻家VS傲慢な天使の軽口の応酬がクセになる作品。あんなに顔がよくて綺麗なガブリエルが、口が悪いっていう設定だけでもグッとくる。蛇目……。