小説『呪われた町』
【アメリカ/上・下巻完結】
- 原題:Salem's Lot
- ジャンル:ホラー小説
- 登場人外:吸血鬼
- 出版年:アメリカ1975年 / 日本1983年(文春文庫)
- 作品の雰囲気:シリアス、薄暗い
- 人外×人間の恋愛要素:なし(吸血シーンがやや煽情的に描かれている)
あらすじ
20世紀のアメリカ。メイン州の架空の田舎町セイラムズ・ロット。丘の上の曰く付きの館・マーステン館に何者かが越してきた時から、町に死者が増え始める。
町に滞在していた小説家のベン、町に暮らす少年マークは館の主の正体に気付くが、町は静かに崩壊し始めていた……
関連作品
1979年にアメリカでミニドラマシリーズ『死霊伝説』として映像化。日本では映画として公開されている。1987年には続編『新・死霊伝説』も公開。
2004年、同じくアメリカで、ミニシリーズ『死霊伝説 セーラムズ・ロット』も放映された。
『十二国記』シリーズで有名な小野不由美はこの作品のオマージュとして『屍鬼』を書いている。
感想(ネタバレあり)
お気に入り度★★★★☆
前半は、吸血鬼として甦った町の人々によって、見えないところでゆっくりと町が崩壊していく様子が描かれ、後半は異変に気付き立ち上がったわずか数人と吸血鬼との闘いが描かれている。
人々は知識を総動員して吸血鬼に対抗する方法を探し、犠牲を払いながらも吸血鬼のボスを退治することに成功する。
しかし最後の最後・・・結末はやや薄暗い。
町には吸血鬼となったかつての町の住人が依然としてあふれている。
主人公ベンとマークは吸血鬼たちとの戦いに対する希望を持ち続けているが、果たして人間たちが吸血鬼に勝利する日はくるのだろうか?
全体的に衝撃的な大きな出来事が起こる、というよりは徐々に進行する異常が恐怖をかき立ててくる作品である。性と生が入り混じるような吸血の描写も印象的だった。